1961/1963/1965 GIBSON SG Custom

1961年、レスポール・ファミリーはフルモデルチェンジされ、LPカスタム、LPスタンダード、LPスペシャル、LPジュニアの4モデル全てにダブル・カッタウェイのSGシェイプが採用された。
それまでレスポール・スタンダードとカスタムはメイプルトップ・ボディがアーチ形状に加工していたため、加工に手間と時間が掛かり生産性が劣っていた。
また4kg前後の重量があり、軽量化に関しても以前から検討されていた。
そして1961年に登場したレスポールのニューモデルは、ボディがマホガニーのスラブボードを大胆にカットしたベベルド・コンターを採用することで、これまでに無いまったく新たなデザインとして完成した。
ウルトラ・シンボディ、ダブル・カッタウェイ、ベベルト・エッジ・デザインはギタリストとのフィット感を高め、ビブラート・システムを標準装備することで、軽量で演奏性に優れたギターとなった。
さらにこのデザインは生産性が高く、大幅なコストダウンにも繋がっている。
1961年はレス・ポールとの契約上の問題から、そのまま「レスポール」の名称が使用されたが、1963年に「SG」に変更された。

 写真は、1961年、1963年、1965年に生産されたSG カスタム。
1961年製(奥のギター)のみトラスロッドカバーに「Les Paul Custom」と記されている。
それまでのエボニー(ブラック)カラーは一新してホワイトカラーとなり、ハムバッキング・ピックアップ(PAF)を3つマウント、サイドプル・デラックス・ビブラートを搭載するなど、カスタム・モデルらしい豪華な仕様が採用されている。
ボディは一見左右対称のようにも見えるが、実際は非対称で、絶妙なデザインで構成されている。

 SGシリーズはセールスも順調で、1960年代ギブソンの中で最も売れたモデルとしても知られている。

Special Thanks :「Player」