カーマイン・ストリート・ギターを見てきました。
ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ地区にある、小さなギターショップの、月曜から金曜までの日常をカメラが記録したドキュメンタリーです。
新宿の小さな映画館に行くと、目当ての時間は、席が完売で、次の19:05まで東急ハンズで時間調整しました。
新宿の街が、久しぶりに行くと、様子が変わっていました。
映画館のロビーにはリック・ケリー氏 制作のギター現物が展示してありました。
日本のミュージシャンが感想のコメントを書いたカードが貼ってあり、鈴木茂さん、真島昌利さん、有田純弘さんなど、僕もお付き合いのある方のカードも見つかりました。
いよいよ入場すると、100席に満たない小さな部屋に小さなスクリーン。PAスピーカーもスタンドで立っていて、イベント会場の様な感じです。
ストーリーは特に盛り上がるわけでもなく、淡々とギターショップの日常を映していきます。
店主のリックと彼の母、弟子のシンディ3人で営業しているギターショップには、様々なジャンルのギタリストが「ハーイ!」って言いながら来店して、「このギター弾いてもいいかい?」と言って、弾き始めます。
そして、リックやシンディとリラックスして会話していきます。お客様と店員と云う関係とはちょっと違う、ギターの作り手と、ギタリストという、言わば相談相手の様な、会話です。
怪我で中指が動かなくなったギタリストには「こっちの方がネックが太くて、合うんじゃないかい。太いほうが指がリラックスするんだ。」と言い、ギタリストは、「何年間もリハビリに使うくらいなら、このギター買うほうが余程イイな。」と楽しそうにギターを弾き続けます。
リックの作るギターは、ニューヨークの歴史ある建物が取り壊されたりすると、廃材を貰ってきて、キズや汚れなどをそのまま残して作っています。
店自体も、歴史ある建物ですが、そこにも開発の足音が近づいているのが暗示されます。
隣の店が売りに出たと云う話題が出ると、ビジネスマン然とした不動産屋が、訪ねてきて、一言二言話して、名刺を渡して帰っていきます。
しかし、弟子入りして、5年めのシンディが、ギター作りを引き継いでいくシーンも描かれていて、これからも、この小さなギターショップが続いていくんだと、安心しました。
僕が研修で滞在した、サンタモニカのギターショップも、小さな売り場よりも広いリペア作業スペースがありましたっけ。
僕が通った4日の間にも、アンディ・サマーズとジャクソン・ブラウンが来店して行きました。
御茶ノ水楽器センターにも、ご来店してくれた、チャーリ·セクストンが登場します。https://www.gakkicenter.com/hpgen/HPB/entries/6.html
リンカーンも通ったバー「マクソーリーズ」の材木で作ったギターを弾いてもいるシーンでは、苦いコーヒーが好きなチャーリーと話をした時を思い出させてくれました。
皆さんも、アメリカのギターショップの心地良い時間を体験できる映画を是非ご覧になってください。